骨盤の歪みを診る時に、寝た状態や座った状態で骨盤の高さや歪みをを検査すると言う話をよく耳にします。
例えば、脚の長さの左右差を見る時も寝た状態で診る方が多いと思います。
私も20代の頃に学んだ整体術では、ベットに腰掛けた状態で骨盤の高さや前後の傾きを診るように教えられました。
結論から言うと、こうした検査のやり方では、正確な骨盤の歪みを診ることはできません。
そもそも骨盤の歪みと言うのは、骨盤周りの筋肉や関節の問題だけで生じるものではありません。
こうしたパーツに何の問題がなくても、足裏の着地バランスが崩れることで、その上に乗っている脚や骨盤のバランスが間接的に崩れることもよくあります。
かかとの骨(踵骨:しょうこつ)とその上に載っている距骨(きょこつ)との間で形成される関節、距骨下関節は、内側に倒れやすい構造になっています。
この関節がねじれた状態で固定化されてしまうと、その上に載っている脚全体のバランスが崩れ、結果的に骨盤のゆがみを引き起こすことになります。
例えば、インソール治療を専門にされている先生などは、足の着地バランスを整える事でO脚や骨盤の歪みを整える方もおられます。
実際、骨盤しか診ずに施術をして貰ったお客様からは
「やってもらった時は骨盤の歪みがましになった気がするけど、また直ぐに戻ってしまった」
と言う話をよく耳にします。
それもそのはず。
立った瞬間に足元からバランスが崩れる訳ですから。
寝た状態や座った状態で検査をすると言うことは、骨盤から下の部分、つまり脚や足の着地バランスの問題を全く無視していることになります。
人の身体というものは、筋肉に力を入れていない状態であれば、軽く引っ張るだけで見た目の長さなどは簡単に変えることができます。
ですので、骨盤の歪みを正確に診るには、立った状態=足裏で着地をし、かつ脚の筋肉や関節に負荷がかかった状態で検査することが大事になります。
そして施術を行う際は、骨盤周りだけではなく、必ず足の着地や脚全体のバランスをしっかり整えることが重要となります。
ご参考にして頂けましたら幸いです。
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